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喜多歯科クリニックブログ

矯正の歴史〜10年前と今の矯正の違いは?〜

近年受ける人も増えている歯列矯正治療ですが、いつからどのようにしてはじまったのかをご存知ですか?最
近では痛みが少なく装着時も目立たないマウスピース矯正なども主流になってきていますが、実はマウスピース
矯正が普及してきたのは最近のことです。デジタル技術の進化と共に歯列矯正治療もここ10年で大きな変化を
遂げてきています。
本記事では、歯列矯正治療の歴史についてお話ししながら10年前と現在の歯列矯正治療について解説しま
す。

■歯列矯正の歴史
歯列矯正治療の歴史は遡ると非常に古く、古代エジプトのミイラからは、歯を整えるための装置が見つかってい
ます。古代ローマやギリシャでも、歯の位置を整えるためのさまざまな方法が試みられていました。こうした早期
の試みは、現代の矯正治療の基盤を築くものでした。19世紀になると、歯科矯正はより体系的に研究され始
め、特にアメリカの歯科医師エドワード・ハワード・アシュトンは、金属ワイヤーを使用した矯正装置を開発し、歯
列矯正の技術を大きく進歩させました。この時期から、歯列矯正は専門の分野として確立され、様々な装置が
登場しました。
そこから20世紀に入ると、矯正技術は急速に進化します。特に、セラミックブラケットや裏側矯正といった目立た
ない矯正装置が登場し、多くの患者様に支持されるようになりました。また、矯正治療に対する人々の興味や理
解も深まり、より多くの人々が治療を受けるようになりました。

■10年前の歯列矯正治療
10年前、歯列矯正治療はまだ従来の金属製のワイヤー矯正が主流でした。これらの装置は歯に強い力を加え
効率的に歯を動かすことができるため、期待した効果を得られますが、痛みも強く見た目が気になるというのが
難点でした。実際に見た目や痛みに悩む患者様が多く、特に若い人には敬遠されることがありました。矯正装置
の種類としては、金属ブラケット、セラミックブラケット、裏側矯正といった選択肢がありましたが、いずれも装置
の装着や調整が必要で、患者様の負担が大きいことが問題とされていました。さらに、治療期間も長く、何年も
かかることが一般的でした。こういった理由から歯列矯正治療に興味があってもなかなか踏み出せない人も多
く、ハードルの高い治療だったのです。

■現在の歯列矯正治療
①マウスピース矯正の普及
近年、マウスピース矯正が急速に普及しています。特に「インビザライン」は多くの患者に支持されています。マ
ウスピース矯正は、透明なマウスピースを使用した矯正法で、痛みもほとんどなく目立たないことから人気があ
ります。患者様は、日常生活をいつも通りに送りながら矯正治療を行うことができるため、心身の負担が軽減さ
れます。マウスピース矯正は、装置の着脱が簡単で、食事や歯磨きも従来の矯正装置に比べて容易です。その
ため、特に若い世代や忙しい社会人にとって、手軽に治療を受けられる選択肢となっています。

【マウスピース矯正のメリット】
✔️ワイヤー矯正に比べて痛みがない
✔️透明なので装着していても目立たない
✔️取り外しできるので口腔ケアがしやすい
✔️食事制限がない
✔️治療のゴールをイメージしやすい
【マウスピース矯正のデメリット」
✔️すべての症例に適応できるわけではない
✔️1日20〜22時間以上の装着時間が必要になる
✔️お手入れや装着時間など自己管理が必要
✔️治療期間が長くなることがある

②デジタル技術の進歩
デジタル技術の進化も、矯正治療に大きな影響を与えています。現在では、3Dスキャンを用いて患者様の口腔
内のデータを迅速に取得することが可能になりました。このデータを基に、治療計画をシミュレーションし、具体
的な治療の流れを患者様に提示することができます。これにより、患者様は自分の治療がどのように進行する
のかを視覚的に理解することができ、安心感を得られます。さらに、CAD/CAM技術の導入により、矯正装置を
より正確に作成できるようになり、フィット感も向上し、治療の効果が高まります。患者様はより快適に矯正治療
を受けられるようになっています。

■デジタル技術の進化とマウスピース矯正
【進化したデジタル技術】
・3Dスキャン
従来の印象材を使った型取りに代わり、口腔内を高精度でスキャンすることができる3Dスキャナーが普及。口
腔内のデータを迅速かつ正確に取得可能。

・デジタルシミュレーション
3Dデータを基に、治療の進行や結果をシミュレーションするソフトウェアが登場。治療前に自分の歯がどのよう
に動くかを視覚的に確認可能。

・CAD/CAM技術
コンピュータ支援設計(CAD)およびコンピュータ支援製造(CAM)技術により、矯正装置を正確に設計・製造で
きる。カスタマイズされた装置を迅速に作成可能。
上記のようなデジタル技術の進化は、マウスピース矯正にも大きな影響を与えています。デジタルスキャンに
よって得られたデータを用いて、患者様一人ひとりに合った精密な治療計画を立てることができるので治療の精
度が向上し、より短期間での効果的な矯正が可能になります。また、CAD/CAM技術による製造で、装置の
フィット感が向上し患者様も快適な着用感が得られます。デジタルシミュレーションが可能になったことで治療前
に予想される結果を患者が確認できるため、治療に対する不安が軽減され、患者は自分の進捗を把握しやすく
なって治療前と治療後のギャップもなくなります。

■10年前と今の矯正の違い
・治療の選択肢と自由度
10年前に比べて、現在の矯正治療には多くの選択肢があります。マウスピース矯正やデジタル技術の導入に
より、患者は自分に合った治療法を選べるようになりました。これにより、矯正治療がより身近なものとなり、多く
の人が治療を受けることができるようになったのです。

・患者様への負担の軽減
現在の矯正治療は、患者への負担が大幅に軽減されています。マウスピース矯正やデジタル技術の進歩によ
り、装置の装着が簡単で、通院の頻度も減少しました。治療がより快適になったことで、患者が治療を続けやす
くなっています。

・矯正治療の成功率と予測精度の向上
デジタル技術の進化により、治療の成功率が向上し、予測精度も高まっています。これにより、患者はより安心
して治療に臨むことができ、目標とする結果を得られる可能性が高まっています。

■まとめ
矯正治療は、古代から現在までの長い歴史を経て、飛躍的に進化してきました。特に、10年前と比べて、現在
の矯正治療は患者様にとってより身近なものとなり、快適で多様な選択肢も増えています。マウスピース矯正の
普及やデジタル技術の進歩により、矯正治療はますます身近なものとなっていくでしょう。歯科医師と相談しな
がら自分に合った矯正治療を選び、理想とする口元を手に入れましょう。
当院では患者様一人ひとりのご要望やお悩みをお聞きし、ライフスタイルや予算、症例を総合的に考慮したうえ
でより適した方法をご提案させていただきます。歯列矯正治療をお考えの方はぜひ一度当院にご相談ください。